「世界一周って、できたらすごいけど、自分には無理かもしれない。」
そんなふうに思っていたのは、かつての私です。
海外旅行の経験はあっても、世界中をめぐるなんて想像すらできなかったし、何より「どう始めればいいのか」がまったくわかりませんでした。いくらかかるのか、どこを回ればいいのか、何を準備すればいいのか。調べれば調べるほど、情報の多さに圧倒されていました。
やらない理由はたくさんあるけれど、、それでも「やってみたい」という気持ちは消えませんでした。
そして実際に計画を立てていく中で、「これは現実的にできる旅だ」と思えるようになり、私は実際に世界一周の旅に出ることにしました。
このページでは、そんな私自身の経験をもとに、世界一周の費用感やルートの決め方、出発前の準備や持ち物、旅の途中で役立った知識などを、分かりやすく整理して紹介しています。
「いつか世界一周をしてみたい」と思っている方が、最初の一歩を踏み出せるように。
このページが、そのきっかけになれば嬉しいです。
世界一周の始め方:全体像をつかもう
「世界一周」とひとことで言っても、その旅のスタイルや目的は人によってまったく異なります。
とにかく安く多くの国を巡りたい人もいれば、特定の地域をじっくり味わいたい人、仕事を続けながら旅をする人、人生の節目に出発する人もいます。
だからこそ、「世界一周を始めたい」と思ったら、まずは自分に合った旅の形を見つけることが大切です。
出発までの準備には、大きく分けて以下の5つのテーマがあります。
- 旅のスタイル:どんな旅をしたいのか?(節約型/体験重視型/快適型/仕事両立型)
- 費用の目安:地域・スタイルごとの現実的な予算感
- ルート設計:どこをどう巡るか?航空券の選び方と組み方
- 準備と手続き:出発までに必要なことの整理
- 持ち物とパッキング:できるコンパクトに、でも不足なく準備できるか
このページでは、それぞれのテーマを順に整理していきます。
まずはあなた自身の旅のスタイルから見つけていきましょう。
世界一周の旅スタイルを選ぶ
世界一周を実現するうえで、まず最初に考えるべきなのが「自分はどんな旅をしたいのか?」ということです。
同じ「世界一周」でも、スタイルによって旅の費用もルートの組み方も大きく変わります。さらに、必要な持ち物や宿の選び方、移動ペースも異なってくるため、旅の満足度にも直結します。
以下は、実際によく見られる旅スタイルの代表例です。自分の理想に近いものがどれか、考えながら読み進めてみてください。
節約型
- 移動や宿をできるだけ安く済ませ、とにかく多くの国を巡りたいタイプ
- ローカルバスや格安ドミトリーも積極的に活用
- 1日の支出は3,000円前後を目安に
体験重視型
- その土地でしかできない体験や出会いを優先する旅
- 少し予算をかけても、アクティビティや文化体験に積極的
- 滞在先も、ホステルやホームステイなど交流重視
快適型
- 清潔で安心できる環境を重視し、移動もできるだけ快適に
- 都市部中心の滞在で、治安や設備が整った地域を厳選
- 宿も便利でキレイなホテルを選択
仕事両立型(私自身のスタイル)
- リモートワークなど仕事をしながら旅を続けるスタイル
- ネット環境や作業スペースが優先事項
- 滞在時間を確保しつつ、旅とのバランスを図る
どのスタイルが正解というわけではありません。大切なのは、自分が心地よく続けられる旅を選ぶことです。
▶ 各スタイル別の費用やルートの違いはこちら → /worldtrip/route/
世界一周の費用と予算感(2025年版)
「世界一周って、実際いくらかかるの?」
これは多くの旅人が最初に抱く疑問です。2025年現在、円安(1ドル=145円前後)や世界的な物価上昇の影響により、従来の「100〜200万円で世界一周」という情報は現実的ではなくなっています。
実際に、私自身はスターアライアンスのビジネスクラス世界一周航空券を約130万円で購入し、LCCなども併用しながら旅をしていますが、最終的な総額は500万円近くになる見込みです。
旅スタイル別の月間費用イメージ(2025年版)
地域 | 節約型 | 体験重視型 | 快適型 | 仕事両立型(都市+自然) |
---|---|---|---|---|
東南アジア | 12〜18万円 | 18〜25万円 | 25〜30万円 | 20万円前後 |
南アジア | 10〜16万円 | 17〜22万円 | 23〜28万円 | 18万円前後 |
中東・東欧 | 15〜22万円 | 20〜28万円 | 30〜35万円 | 22〜25万円 |
南米・アフリカ | 18〜25万円 | 25〜32万円 | 35万円以上 | 25〜28万円 |
西欧・北米 | 25〜35万円 | 35〜45万円 | 50万円以上 | 30〜40万円 |
※ 上記は為替1ドル=145円前後を想定。航空券などの都市間移動費は含まず。
トータル費用の目安(半年〜1年)
スタイル | 総額目安(2025年) |
---|---|
節約型 | 200〜300万円 |
バランス・体験型 | 300〜450万円 |
快適型・ビジネスクラス旅 | 500〜800万円以上 |
長期旅では生活費以上に「移動・航空券・宿泊費」がコストに直結します。特にアメリカ・ヨーロッパ・オセアニアを中心に旅を組む場合、月30万円以上の出費は見込んでおくべきです。
参考:私自身の費用実績(現在進行中)
- 世界一周航空券(ビジネスクラス):約130万円
- 訪問地域:アフリカ・南米なども含む全大陸構成(オセアニア除く)
- 滞在スタイル:仕事をしながら現地の文化や暮らしなどの異文化体験重視、都市部は最小限
- 想定総額:約500万円(一部LCC利用も含む)
▶ 地域別・スタイル別の費用をもっと詳しく見る → /worldtrip/cost/
世界一周ルートの作り方
世界一周をどう巡るか──これは旅の印象を大きく左右する、非常に重要な要素です。
ただ単に「たくさんの国を回れば良い」というわけではありません。費用・季節・ビザ・フライト構成・興味のある体験など、複数の条件を考慮して組み立てる必要があります。
私自身も、最初は世界地図を広げて「とにかくぐるっと一周すればいい」と考えていましたが、実際にはその何倍も複雑でした。行きたい場所が離れていたり、航空券の制限があったり、時差や気候の影響もありました。
だからこそ、最初にやるべきは「自分がどんな体験を優先したいか」をはっきりさせることです。
ルート設計で考慮すべきポイント
- 予算:アフリカや南米は移動・滞在費がかさむ傾向あり
- 旅のスタイル:滞在時間の長短や宿泊形態によってルートのペースも変わる
- 気候と季節:ベストシーズンに合わせると効率が良い
- ビザ要件:事前取得が必要な国・滞在可能日数を把握
- 治安や情勢:国際情勢によって回避すべきルートがあることも
モデルルート例(スタイル別)
① 節約型(LCCと陸路中心)
日本 → 東南アジア → 南アジア → 中東 → 東欧 → 中南米→ 日本
→ 費用を抑えつつ多くの国を巡る構成。ビザや陸路の情報収集がカギ。
② バランス型(都市と自然の両立)
日本 → 東南アジア → アフリカ南部 → 中東 → 南米 → 北米 → 日本
→ 航空券とLCCを併用し、滞在ペースと体験のバランスを取る旅。
③ 快適型・短期集中
日本 → ヨーロッパ都市周遊 → 南米 → 北米→ 日本
→ 世界一周航空券のビジネスクラスを活用して移動を快適に。
④ 仕事両立型(筆者スタイル)
都市(Wi-Fi環境重視)と自然体験を組み合わせながら移動
→ 滞在地を厳選して仕事環境と体験価値の両立を図る構成。
世界一周航空券の活用も選択肢
私が使っているのは「スターアライアンスの世界一周航空券(ビジネスクラス)」で、費用は約130万円。距離・大陸数などのルールはありますが、LCCや別途片道航空券との組み合わせでかなり柔軟に組むことができます。
▶ 世界一周航空券の基本と選び方はこちら → /worldtrip/route/
ルート作りは「引き算」から始める
最初にすべてを詰め込もうとすると、非現実的な計画になりがちです。
行きたい国をリストアップしたあと、「今回は外す場所」も意識して絞り込んでいくことで、現実的な旅程に近づいていきます。
世界一周は「ぐるっと回る」ことが目的ではなく、自分にとって意味のある時間をどう設計するかが本質です。旅の目的と価値観に沿ったルートを、焦らず丁寧に作っていきましょう。
世界一周の準備リスト
ルートと予算の大枠が見えてきたら、次は具体的な「出発準備」に入ります。
世界一周の準備は、単なる持ち物リストにとどまりません。パスポートやビザ、予防接種、クレジットカード、保険、仕事や住民票などの手続き、そして何より「長期の旅に出る覚悟」を整えることも含まれます。
私も出発前は、想像以上に準備すべきことの多さに戸惑いました。とくに保険やキャッシュカードの選定は旅先のトラブル対応に直結するため、早めの準備が重要です。
出発前に必要な準備の全体像
項目 | 内容 |
---|---|
パスポート | 有効期限を確認(最低でも旅行期間+半年以上) |
ビザ | 各国のビザ要否を確認(※入国条件が異なる) |
予防接種 | 黄熱病(アフリカ・南米など)、A型肝炎など |
海外旅行保険 | クレジットカード付帯 or 有料保険の選択 |
クレジットカード | 複数枚所持が基本。補償内容や引き出し手数料に注目 |
デビットカード・送金サービス | WiseやRevolutなどを併用すると便利 |
国際運転免許証 | 一部地域では必要(取得に数日〜1週間) |
住民票・税金関連 | 長期不在にする場合の住民票・保険・納税の対応 |
仕事・学校・家族の調整 | 出発の数ヶ月前から要調整 |
私が準備段階で重視したこと
- クレジットカード保険の補償額(実際に欠航時に補償を受けた経験あり)
- 住民票や税金に関する手続き
- どこでも仕事を続けられる体制の整備
- 必要最低限の紙書類をPDF化してスマホ・クラウドに保存
準備を甘く見ると、出発後に困る場面が必ず出てきます。逆に、計画的にこなしておけば、旅先での自由度が格段に上がります。
▶ チェックリスト形式での詳細解説はこちら → /worldtrip/prep-checklist/
世界一周の持ち物とパッキング
世界一周の準備で、多くの人が悩むのが「荷物の量」と「何を持っていくか」です。
持ちすぎれば移動がつらくなり、少なすぎれば旅先で困る──。そのバランスをどう取るかが、長期旅行の快適さを大きく左右します。
特にポイントになるのが、「機内持ち込みのみで旅をするか」「預け入れ荷物を持つか」という選択です。
機内持ち込み派 vs 預け入れ派
項目 | 機内持ち込みのみ | 預け入れあり |
---|---|---|
メリット | ロストバゲージの心配なし 空港での待ち時間が短縮 | 荷物の自由度が高い 防寒具や登山用品もOK |
デメリット | 液体制限(100ml以下) 荷物は7〜10kg以内が目安 | LCCでは追加料金が発生 空港でのピックアップが必要 |
向いている人 | 身軽に動きたい・移動が多い旅 | 気候の違う地域を跨ぐ・装備が必要な旅 |
私の場合、全体の構成がアフリカ〜南米を含む変化の大きいルートだったため、預け入れ前提で構成し、必要な防寒具やPC作業環境を含めて持っていきました。
実際に持って行った持ち物(一部)
- ノートPC(軽量かつ頑丈)
- 薄手のダウンジャケット(収納型)
- 海外対応の延長コード・マルチタップ
- 現地SIM or eSIMに即対応できるスマホ2台
- スーツケース
- バックパック(サブ用)
「パッキング=物量調整」ではなく、「どこで・どの場面で・何に使うか」を想定して構成するのがコツです。
長期旅で意外と役立ったもの
- 電圧対応の小型ドライヤー
- 予備のクレジットカード(国によって使用できないカード会社あり)
- リカバリーサンダル(ホテル内)
- 防寒インナー(カシミヤのセーター、メリノウールの下着)
▶ 世界一周パッキングの全リストはこちら → /worldtrip/packing-list/
働きながら旅するという選択肢
デジタルノマド型の世界一周の特徴
項目 | 内容 |
---|---|
滞在スタイル | 長期滞在(安定したネット環境が前提)+体験 |
スケジュール管理 | 午前は仕事、午後から観光など、平日は仕事、週末は観光など |
旅の設計 | 急ぎすぎず、1国に1〜3週以上滞在してバランス重視 |
メリット | 所得を確保しつつ旅を継続できる/生活感のある滞在が可能 |
注意点 | 通信・作業環境・時差・業務量との折り合いがカギ |
実際にやってみて感じたメリットと課題
私の場合、デジタルワークをベースにしており、仕事期間と旅の期間を分けることで両立できています。
- 安定したWi-Fi環境の宿を選ぶ
- 仕事後にリラックスできる自然環境のあるエリアを好む
- 「旅の期間」と「仕事期間」を分ける
といった工夫もしています。
課題としては、旅に集中したい時期と、仕事をこなさなければならない時期がぶつかると「どちらも中途半端」になりやすい点があります。メリハリのあるスケジュール管理が求められます。
こんな人に向いています
- 既にオンラインでの収入源を持っている人
- 自分の裁量で働ける時間・納期を調整できる仕事をしている人
- 移動よりも「生活」としての旅を求めている人
「旅」と「仕事」は、二者択一ではありません。うまく両立すれば、長期にわたって無理なく自分らしい世界一周を続けることができます。
▶ 世界一周しながらできる仕事の選び方・実例はこちら → ※(将来の /work/
記事へ)
よくある質問(FAQ)
Q. 世界一周の期間はどれくらいが一般的ですか?
A. もっとも多いのは「6ヶ月〜1年程度」です。
学生や会社を辞めて旅に出る方は1年前後が多く、社会人の長期休暇やリモートワーカーであれば3〜6ヶ月の短期ルートも選ばれています。私自身は仕事を続けながら回っているため、半年から1年弱のスケジュールで進行中です。
Q. 世界一周にはいくらかかりますか?
A. 2025年現在は最低でも200万円、快適に回るなら500万円以上が目安です。
従来の「100万円台で世界一周」は円高・物価安時代の話であり、現在は航空券・物価・為替の影響ですべてが高騰しています。詳しくは費用セクションをご参照ください。
Q. 世界一周航空券とLCCはどう使い分けるべき?
A. 大陸間移動には世界一周航空券(例:スターアライアンス)、地域内移動にはLCCや片道航空券を使うのが効率的です。
複雑なルートと快適性の両立を目指すなら、両方を組み合わせることで無理なく広範囲を移動できます。
Q. 出発までに何を準備すればいいですか?
A. パスポート・ビザ・予防接種・保険・クレジットカード・海外送金手段・住民票関連など、やるべきことは多岐にわたります。
ToDoリスト化して抜け漏れなく対応するのがポイントです。詳しくは準備リスト記事をご覧ください。
Q. 途中で日本に一時帰国してもいいの?
A. 問題ありません。世界一周航空券でも「途中帰国 → 再出発」の構成は可能です(※ルート構成と乗り継ぎ条件には注意)。
実際、私も仕事の都合で一時帰国を挟むスケジュールで旅を続けています。
Q. 世界一周中に仕事はできますか?
A. 可能です。クラウドソーシング・契約ベースの業務・自分のブログやSNS運用など、ノマド的な働き方を実践する人も増えています。
ネット環境や作業時間の確保を前提にルートと滞在先を設計することが重要です。
「世界一周=すべてを休んで旅に出る」というイメージを持つ人も多いかもしれません。
しかし、実際には仕事を続けながら世界を旅している人も増えています。私自身もそのひとりです。
ネット環境さえ整っていれば、記事執筆・マーケティング・翻訳・Web制作・動画編集など、リモートで完結できる仕事をしながら移動することは十分に可能です。
まとめ:世界一周の第一歩を踏み出すために
世界一周は、ただの「長い旅行」ではありません。
旅のスタイルを決め、費用を調べ、ルートを組み、荷物を選び、時には仕事や人生設計まで見直す時間。
それは「自分にとって何が大事か?」を問い直すプロセスでもあります。
私自身、旅に出る前は不安だらけでした。
でも、実際に旅を始めてみると、完璧な準備よりも「やってみること」の方がはるかに大事だと気づかされました。
今あなたが「世界一周したい」と思っているなら、もうその時点で出発の準備は始まっています。
このページが、あなたの最初の一歩を後押しできたなら嬉しいです。
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